日産自動車のゴーン前会長が、サウジアラビア人の実業家の会社に日産の資金を不正に支出したとされる事件について、東京地検特捜部は、前会長側が、実業家側から約20億円の資金提供を受けていたことが新たに分かったとして、不正な支出に至るいきさつについて起訴内容の一部を変更しました。
日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告(65)は、私的な為替取引の損失の信用保証に協力したサウジアラビア人の実業家の会社に、日産の子会社から12億8000万円余りを不正に支出させたなどとして、特別背任などの罪に問われています。
特捜部は、ゴーン前会長が11年前のリーマンショックで18億円余りの含み損を抱えた際に、実業家側が約30億円の信用保証に協力したことが、不正な支出につながったとして起訴していましたが、その後の捜査で、信用保証への協力の前にも、前会長の資産管理会社が実業家側から約20億円の資金提供を受けていたことが新たに分かったということです。
このため特捜部は、不正な支出に至るいきさつにこうした資金提供を付け加える形で起訴内容の一部を変更しました。
ゴーン前会長の事件で、初公判の前に裁判の争点を整理する手続きは今月23日から始まる予定で、変更された起訴内容について前会長側がどのような主張をするか注目されます。
-- NHK NEWS WEB