米中の貿易摩擦が激化する中、日本企業の間では中国で生産してアメリカに輸出してきた製品の生産を日本での生産に切り替えるといった動きが相次いでいます。追加の関税負担や、製品の値上がりを避けるためです。
自動車関連では「パナソニック」がカーステレオなどを中国の工場で生産し、アメリカにある自動車メーカーの工場向けに輸出してきましたが、生産の一部を一時的にタイやマレーシアなどに切り替えています。
「クラリオン」もカーナビとカーオーディオの生産の一部を中国から日本に移しています。
「東芝機械」は、アメリカにある自動車部品メーカー向けに輸出していたプラスチック部品を作る機械を静岡県沼津市とタイの工場での生産に切り替えました。
家電製品関連では「ダイキン工業」がエアコン部品のコンプレッサーを中国で生産し、アメリカにあるグループ会社のエアコンの工場に輸出してきましたが、タイでの生産に移管するため、ことしに入って生産設備の移設などの準備を進めています。
「富士通ゼネラル」も、アメリカ向けに輸出してきたエアコンの生産の一部を中国からタイに切り替えています。
「日本電産」は、アメリカに輸出してきた自動車用とエアコン用のモーターの生産の一部をメキシコでの生産に切り替えています。
「富士フイルム」は、デジタルカメラ用のアクセサリーなどを中国で調達し、アメリカに輸出していますが、調達先を中国から切り替えることも含めて検討しています。
「三菱電機」は、アメリカに輸出していた半導体製品と産業用機械の生産の一部を中国から日本に切り替えています。
-- NHK NEWS WEB