ことし国に承認された、最新のがん免疫療法による白血病などの新薬について、中医協=中央社会保険医療協議会は、臨床試験で高い効果が報告されているなどとして、公的な医療保険を適用することを決めました。1回当たりの薬の価格はおよそ3350万円と、現在、国内で保険が適用されている薬で最も高くなります。
医療保険が適用されるのは、大手製薬会社ノバルティスファーマが申請していた白血病などの新薬「キムリア」です。
この新薬は、がん患者の体内からT細胞と呼ばれる免疫細胞を取り出し、がん細胞に攻撃する力を高める遺伝子を組み込んで体内に戻す「CAR−T細胞療法」に使うもので、一部の白血病などの治療に効果があるとして、ことし3月、国の承認を受けていました。
厚生労働大臣の諮問機関、中医協=中央社会保険医療協議会は15日、総会を開き、この新薬に公的な医療保険を適用するかどうか協議しました。
その結果、アメリカやヨーロッパなどではすでに承認され、臨床試験で高い効果が報告されているなどとして、今月22日から医療保険を適用することを決めました。
対象となる患者は、標準的な治療法の効果が期待できなくなった25歳以下の一部の白血病などの患者で、国内では、年間200人余りと見込まれます。
そして、中医協では、1回当たりの薬の価格を3349万円と決めました。
厚生労働省によりますと、現在、国内で保険が適用されている薬では最も高くなるということです。
患者が医療費として払う額には上限が設けられ、超えた部分は保険料と税金などで賄われるため、専門家などからは、高額な医薬品への保険適用が相次げば、医療保険財政に影響を与えかねないと懸念も出ています。
-- NHK NEWS WEB