大規模な不正融資をきっかけに経営が悪化している静岡県のスルガ銀行は、立て直しに向けて「新生銀行」と家電量販店の「ノジマ」とそれぞれ業務提携することを正式に発表しました。合わせてスルガ銀行は、不正に関する調査結果も公表し、不正や不適切な行為が疑われる融資の合計は、1兆円を超えることが明らかになりました。
発表によりますと、スルガ銀行は新生銀行と提携し、住宅ローンなどの個人向けのビジネスや、中小企業の事業承継などで連携するとしています。
また神奈川県などを地盤とし、すでにスルガ銀行の株式の5%近くを取得しているノジマとも提携し、クレジットカードの分野や、オンラインでの金融サービスの分野などで連携を検討していくとしています。
一方、スルガ銀行が15日に発表したことし3月期の決算は、最終的な損益が971億円余りの赤字になりました。投資用不動産向け融資が焦げ付いた場合に備える引当金などを大幅に積み増したことが主な要因で、最終赤字は17年ぶりです。
また、すべての投資用不動産向け融資を対象にした不正に関する調査結果も公表し、融資の審査書類の改ざんや、偽の契約書をもとにした融資などの不正が、全体のおよそ2割にあたる7813件で確認されたとしています。さらに顧客の資産を水増しするなどの不適切な行為が疑われる事例も含めると、こうした融資の合計が1兆円を超えることが明らかになりました。
今後は、不正な融資で傷ついた信頼を、新生銀行などとの提携を通じて早期に回復させられるかが問われることになります。
-- NHK NEWS WEB