地図などの出版を手がける「昭文社」の昨年度の決算は、スマートフォン向けの地図アプリの普及で、地図などの販売が一段と落ち込んだことから、3年連続の最終赤字となりました。
昭文社が発表したことし3月までの1年間の決算は、最終的な損益が18億1500万円の赤字で、去年12月に下方修正した業績見通しよりも赤字幅が11億円余り拡大しました。
最終赤字は3年連続です。
昭文社は、全国各地の道路地図「スーパーマップル」や、ガイドブックの「まっぷる」などの出版を手がけていますが、地図アプリを搭載したスマートフォンの普及で、販売がさらに落ち込んでいるためだとしています。
また、ことし2月に全体のおよそ2割に当たる96人の社員が希望退職に応じ、退職金を割り増して支払ったことも収益を圧迫する要因になったとしています。
会社では、ガイドブックを手がけるノウハウをいかして、海外旅行をする人に向けて宿泊や観光ツアーを手配するサービスなど、出版以外の事業を強化することで、今年度は2億円の黒字回復を見込むとしています。
-- NHK NEWS WEB