地域経済を支える地方銀行の経営が厳しさを増しています。全国の地方銀行のことし3月期の決算は、長引く低金利で収益が上げにくくなっていることなどから、約7割の銀行で最終的な利益が減少しました。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、株式を上場している全国の地方銀行78社について、ことし3月期の決算をまとめたところ、最終的な利益の合計は8647億円で前年に比べて6.4%減少しました。
大規模な不正融資が発覚したスルガ銀行が1000億円近い赤字となったこともありますが、全体の約7割に当たる54社で減益となりました。
これは、長引く低金利で融資の利ざやの縮小が続き、収益が一層上げにくくなっていることに加え、企業の業績が悪化して融資が焦げ付いた場合に備える引当金が増えていることが要因だということです。
地方銀行の中には、店舗の統廃合などによって経営の効率化を図る動きも出ていますが、人口減少が進み、経営環境はさらに厳しくなるおそれがあります。
金融庁は、将来赤字が続くほどの収益の悪化が見込まれる地方銀行に対し、立ち入り検査を行うなどして早めの対応を求める方針です。
-- NHK NEWS WEB