中国に温泉探査のために訪れた際、当局に拘束されていた70代の日本人男性に対して、中国の裁判所は「国家の機密を盗んだ」などとして、懲役5年6か月の実刑判決を言い渡しました。
外務省によりますと、おととし3月、中国企業の依頼を受けて温泉探査のために山東省を訪れ、中国当局に拘束されていた70代の日本人男性の裁判が17日、開かれました。
この中で現地の裁判所は、男性が「国家の機密を盗んで海外に移した」などと認定し、懲役5年6か月と3万人民元(日本円でおよそ48万円)を没収する判決を言い渡したということです。
判決でどういった行為が具体的に問題視されたか明らかになっていませんが、中国メディアはおととし、男性が当局の許可なく探査活動を行ったと指摘し、国家の基礎的な地理の情報を違法に盗む行為を積極的に通報するよう呼びかけていました。
中国での温泉探査をめぐっては、おととし、この男性を含む日本人6人が当局に拘束され、4人は釈放されて帰国しましたが、この男性のほかに、南部の海南島で拘束された男性も起訴されています。
中国では、反スパイ法が施行されたよくとしの2015年から、日本人がスパイ行為に関わったなどとして拘束されるケースが相次ぎ、これまでに少なくとも9人が起訴され、6人に実刑判決が言い渡されています。
-- NHK NEWS WEB