台湾の蔡英文総統は20日で就任から3年となり、任期は残すところ1年となりました。低迷していた支持率は回復傾向にあり、来年の総統選挙での再選を目指していますが、党内は候補者選びをめぐって混乱した状態で、2期目に向け先行きは不透明な状況です。
台湾の蔡英文総統は2016年5月に国民党から政権を奪還し、当時の支持率は50%近くありました。
しかし、断行した労働改革や年金改革などに不満の声があがって支持率が低下し、与党・民進党が大敗した、去年秋の統一地方選挙のあとは15%にまで落ち込みました。
ことしに入ると、台湾の統一を目指す中国の習近平国家主席が「1国2制度」こそが最良の形だと演説したのに対し、断固反対する姿勢を示したことに賛同する声が高まり、最新の世論調査で支持率は36%まで回復しました。
蔡総統は、来年1月に行われる総統選挙での再選を目指していますが、民進党の公認候補を選ぶ予備選挙に、首相にあたる行政院長を務めた頼清徳氏が名乗りをあげ、党内は混乱した状態です。
一方、国民党からは、人気が高い、シャープを傘下に置く企業グループの代表、郭台銘氏や、南部・高雄市の韓国瑜市長などが立候補に意欲を示していて、蔡総統の2期目に向けた先行きは不透明な状況です。
-- NHK NEWS WEB