22年前、大阪・東住吉区の住宅で女の子が死亡した火事の再審=やり直しの裁判で、無罪が確定した母親が「火事は車庫にあった車に構造上の問題があり、ガソリンが漏れて起きた」として、メーカーのホンダに賠償を求める裁判を起こしました。
訴えを起こした青木惠子さん(53)は平成7年、大阪・東住吉区にあった自宅が焼けて、当時11歳の娘が死亡した火事で、放火や殺人などの罪に問われ、無期懲役の刑で服役しましたが、去年8月、やり直しの裁判で「自然発火の可能性が否定できない」と判断され、無罪が確定しました。
発火の原因について、青木さんと弁護団は、再現実験の結果から「車庫にあった軽自動車に構造上の問題があり、給油口からガソリンが漏れて風呂釜の火が引火した。ガソリン漏れのおそれがあるという情報をユーザーなどに提供しなかった」として、メーカーのホンダに対し5200万円余りの賠償を求める裁判を、30日、大阪地方裁判所に起こしました。
青木さんの弁護団は、30日、大阪市内で記者会見し、「ホンダの同じような構造の車で4台のガソリン漏れが刑事裁判で立証されている。ほかのメーカーでは同じような不具合があればリコールされている」と批判しました。一方、ホンダはNHKの取材に対し、「車に不具合があったとは認識していないので、リコールも賠償も行う考えはない」としています。
-- NHK NEWS WEB