ノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学の天野浩教授らは、受賞対象となった青色LEDの素材を使い大幅な省エネが期待できる新しい半導体素子をつくり、研究開発用に企業などへの提供を始めました。
天野浩教授らのグループはノーベル物理学賞の受賞対象となった青色の光を放つLED=発光ダイオードの素材に使った「窒化ガリウム」を用いて新しい半導体の開発を進めています。
そして22日、都内で会見を開き、電子回路の基本的な部品となる半導体素子を実用化に近い品質でつくることに成功し、研究開発用に企業や大学などに有償で提供するサービスを始めたと発表しました。
窒化ガリウムの半導体素子は、
▽モーターの駆動やバッテリーの充電など電力の変換や制御を行う製品や、
▽携帯電話の基地局で使う信号の増幅装置などへ、応用が期待され、現在主流のシリコンを使ったものよりも消費電力を10%以上減らせるということです。
また、難しいとされてきた窒化ガリウムの半導体素子による集積回路をつくる技術にも見通しが立ったとして、製品の小型化やさらなる省エネ効果が期待できるとしています。
天野教授は「高い品質の窒化ガリウムの半導体素子を提供できる段階に来た。企業や大学で実用化に向けた研究開発を加速させてもらいたい」と提供のねらいを話しています。
-- NHK NEWS WEB