河野外務大臣は訪問先のフランスで日本時間の23日夜、韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相と会談し、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で要請している仲裁委員会の開催に向けて、速やかに手続きに入るよう求めたものとみられます。
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題では、韓国のイ・ナギョン(李洛淵)首相が韓国政府だけでの問題解決は難しいとしたことなどを受け、今月20日、日本政府は韓国政府に対し、日韓請求権協定に基づいて、第三国を交えた仲裁委員会を開催するよう要請しました。
こうした中、河野外務大臣は訪問先のフランスで、日本時間の23日午後9時前から1時間半近くにわたって、韓国のカン・ギョンファ外相と会談しました。
冒頭、カン外相は「令和という新しい時代の幕開けを契機に、韓日関係も現在の難しい問題が解決されることを期待している」と述べました。
これに対し河野大臣は「韓国外務省の報道官が、『この問題をめぐる裁判で、韓国大法院が賠償を命じた判決を日本企業が履行すれば、何ら問題がない』という発言をしたと承知している。ことの重大性を理解していない大変な発言で、こうしたことが日韓関係を非常に難しくしている」と批判しました。
会談の内容は明らかになっていませんが、河野大臣は、仲裁委員会を開催するため委員の任命などの手続きに速やかに入るよう求めたものとみられます。また、韓国政府が原発事故による汚染水問題を理由に続けている福島県などの水産物の輸入禁止措置についても、規制を撤廃するよう求めたものとみられます。
-- NHK NEWS WEB