国内最大手の旅行会社JTBのことし3月期の決算は、最終的な損益が151億円の赤字と過去最大の赤字になりました。インターネットを使った旅行の予約などが広がる中、会社は改革を急ぐ方針です。
発表によりますと、JTBのことし3月期の決算は、売り上げが1兆3674億円と前の年より3.4%増えた一方で、最終損益は黒字だった前の年から一転して151億円の赤字になりました。最終赤字は9年ぶりで、赤字幅は過去最大だということです。
これは一部の海外事業の不振に加え、旅行の価格を日々、機動的に変えられるインターネット時代に対応したシステムに見直すことにし、関連する損失を計上したことなどが理由です。
会社はネットと店舗の役割をより明確にすみ分けることにし、店頭では時間をかけて旅行の相談をする人が増える傾向にあることから、全国12の店舗で試験的に相談を有料にする仕組みを導入したほか、電話で事前予約したうえで相談に応じる仕組みを全国に広げる方針も明らかにしました。
また、採用の抑制などで2022年までに社員を2000人程度減らし、効率化も進めるとしています。
記者会見でJTBの高橋広行社長は「インターネット販売のウエイトが高まる中、店舗の役割は時間をかけてお客様と向き合うことだ」と述べ、改革を急ぐ考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB