タイで日本の振り込め詐欺グループの拠点が摘発された事件で、拘束された日本人15人は24日、日本に移送され、詐欺の疑いで逮捕されました。拠点の住宅を借りる際に、逮捕されたメンバーとは別の複数の人物が関わっていた疑いがあることが現地の警察などへの取材で分かりました。
ことし3月、タイ中部のパタヤで日本の振り込め詐欺グループの拠点が摘発され、不法就労の疑いで拘束された日本人15人は24日、日本に移送され、夕方以降、成田空港や羽田空港に到着しました。
逮捕されたのは住所不定、職業不詳の岩本颯容疑者(23)ら15人で、警視庁によりますと、タイから福井市の女性に有料サイトの利用料の未払いがあるとうそのメールを送って電子マネー30万円相当をだまし取ったとして、詐欺の疑いが持たれています。
警視庁によりますと、このグループによる詐欺の被害額は7000万円、被害者は80人にのぼるとみられていますが、福井の女性は購入した電子マネーのレシートなどを残していたため被害の裏付けが取れたということです。
警視庁はグループの解明を進めていますが、逮捕された15人のほかに少なくとも複数の人物が拠点の住宅を借りる際に関わっていた疑いがあることが現地の警察などへの取材で分かりました。
本籍が福岡県の29歳の男と愛知県の49歳の男で、拠点の住宅を借りるためのパスポートをグループに提供したほか、名義上の家主として不動産会社とやり取りしたということです。
さらに、電話機を用意する際に関わったとみられる40歳くらいの日本人の男など、背後には複数の日本人がいるとみられ、警視庁は実態解明を進めています。
-- NHK NEWS WEB