26日未明、千葉県銚子市の犬吠埼の沖合で貨物船どうしが衝突し、一方の船が沈没して4人が行方不明になった事故で、沈没した船の内部から乗組員とみられる男性1人が見つかりました。男性は意識がなく重体だということで、海上保安本部が身元の確認を進めるとともに、引き続き、現場海域で捜索にあたることにしています。
26日午前2時すぎ、千葉県銚子市の犬吠埼から南に11キロ余りの海上で、愛媛県今治市の海運会社の貨物船、「千勝丸(499トン)」と広島県呉市の海運会社の貨物船、「すみほう丸(499トン)」が衝突しました。
第3管区海上保安本部によりますと、このうち千勝丸が沈没して、乗っていた5人のうち一等航海士で鹿児島県指宿市の上村一文さん(60)、二等航海士で静岡市の矢野彰さん(72)、機関長で秋田市の瀬野博さん(69)、一等機関士で愛媛県今治市の馬越才五さん(67)の4人の行方がわからなくなりました。
その後、水深およそ30メートルの海底に千勝丸が横倒しになって沈んでいることがわかり、これまでの捜索で、沈没した船の内部から乗組員とみられる男性1人が見つかりました。
男性は意識がなく重体だということで、海上保安本部が身元の確認を進めるとともに、引き続き現場海域で捜索にあたることにしています。
また、千勝丸の60歳の男性船長は巡視船に救助されて無事でしたが、しょうすいしているため病院で手当てを受けています。
一方、すみほう丸はへさきに近い部分のいかりが曲がったり、船体に大きな傷が入ったりしましたが、乗っていた4人にけがはなく、船は現在、茨城県の鹿島港に停泊しています。
事故当時、千勝丸は南方向にすみほう丸は北方向にそれぞれ航行していて、現場の海域は霧がかかっていて視界が悪かったということで、海上保安本部はすみほう丸の乗組員から話を聞くなどして事故原因を調べています。
このほか、国の運輸安全委員会は船舶事故調査官3人を鹿島港に派遣し、27日、すみほう丸の損傷の状況などを調べる予定です。
-- NHK NEWS WEB