日本を訪れる外国人旅行者が増える中、海外から持ち込まれる害虫のリスクについて学ぶセミナーが開かれ、専門家は先進国でおさまっていた「トコジラミ」の被害が再び出始めているとして、衣類や寝具を清潔に保つなど対策の徹底を呼びかけました。
このセミナーは、東京オリンピック・パラリンピックの開催などで日本を訪れる外国人旅行者が増える中、海外から持ち込まれる害虫への注意を呼びかけようと害虫駆除を手がける会社が都内で開きました。
この中で講演した国立環境研究所の五箇公一室長は、先進国でいったんおさまっていたトコジラミの被害が世界中で再び出始めていると指摘しました。
トコジラミは体長が5ミリから8ミリほどの「ナンキンムシ」とも呼ばれる害虫で、血を吸われると強いかゆみを引き起こすのが特徴です。
五箇室長は「東京大会を契機としてさらにトコジラミが国内に入ってくるリスクがある」と話し、衣類や寝具を清潔に保つなど対策の徹底を呼びかけました。
また、セミナーを開いた会社で害虫駆除を担当する齋藤祐輔さんによりますと、トコジラミの駆除依頼の件数は、去年までの4年間でおよそ5倍に急増したということです。
齋藤さんは「トコジラミの生息場所は例えばカーテンレールの中など目に見えないところが非常に多い。小さなところも見逃さないことが防衛策になる」と話していました。
-- NHK NEWS WEB