29日のニューヨーク株式市場は、米中の貿易摩擦から世界経済減速への懸念が強まり、ダウ平均株価は、一時、400ドルを超える下落を記録するなど大きく値下がりしています。
29日は、米中の貿易交渉が長期化するとの見方に加え、中国政府が、対抗措置として希少な資源、レアアースの輸出規制の可能性を示唆したことから、世界経済減速への懸念が一段と強まり、売り注文が広がっています。
このためダウ平均株価は、一時、値下がり幅が400ドルを超え、節目の2万5000ドルを割り込む場面もありました。
また、すでに取り引きが終わっているヨーロッパの株式市場でも、前日からの値下がり率は、ロンドンが1.1%、ドイツのフランクフルトが1.5%と、いずれも大きく、世界的な株安の様相を見せています。
市場関係者は、「長期金利が低下を続け、景気後退の予兆とされる短期金利との逆転現象が鮮明になっている。貿易をめぐる米中の対立が、世界経済全体に深刻な影響を及ぼすという見方が一段と強まっている」と話しています。
-- NHK NEWS WEB