29日のニューヨーク株式市場は、米中の貿易摩擦から世界経済減速への懸念が強まり、ダウ平均株価は、前日に続いて200ドルを超える値下がりとなりました。ヨーロッパの株式市場も軒並み大きく下落しており、米中の対立が世界経済全体に影響を与えるとの見方から、世界的な株安の様相を見せています。
29日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、前日に比べて221ドル36セント安い2万5126ドル41セントでした。
この日は米中の貿易交渉が長期化するとの見方に加え、中国政府が対抗措置として希少な資源、レアアースの輸出規制の可能性を示唆したことから、世界経済減速への懸念が一段と強まりました。
ダウ平均株価は一時、値下がり幅が400ドルを超え、節目の2万5000ドルを割り込む場面もありました。また同じ29日のヨーロッパの株式市場でも、前日からの値下がり率はロンドンが1.1%、ドイツのフランクフルトが1.5%といずれも大きく、米中の対立が世界経済全体に影響を与えるとの見方が広がって、世界的な株安の様相を見せています。
市場関係者は、「長期金利が低下を続け、景気後退の予兆とされる短期金利との逆転現象が鮮明になっている。貿易をめぐる米中の対立が世界経済全体に深刻な影響を及ぼすという見方が一段と強まっている」と話しています。
-- NHK NEWS WEB