AI=人工知能が囲碁や将棋などの1対1の対戦ゲームにとどまらず、複数のプレーヤーが競い合うビデオゲームでも、人をしのぐ成績を挙げたという研究が発表されました。AIが予想が難しい複雑な状況に臨機応変に対応できることを示す成果として注目されています。
これはアメリカのIT企業グーグルのグループ会社、「DeepMind」の研究チームが30日、アメリカの科学雑誌「サイエンス」に発表しました。
研究チームは、複数の人でチームをつくり、敵の動きを予想しながら陣地から旗を奪い合うアメリカで人気のビデオゲームをAIに45万回プレーさせました。
AIがみずから試行錯誤を繰り返してよりよい答えにたどりつく「強化学習」という手法で、チームプレーや敵の邪魔をする動きを学習させました。
すると、AIは仲間と上手に協力するようになり、20万回ほどプレーしたころから強いプレーヤーに勝つレベルになったということです。
この会社が開発したAI、「AlphaGo(アルファ・ゴ)」は囲碁の名人に勝利していますが、AIが複数のプレーヤーと複雑な動きで協力するのは難しいと考えられてきました。
今回の研究は、AIが予想が難しい状況にも臨機応変に対応できることを示し、人と上手につきあうことができるロボットの開発などにつながる成果として注目されています。
-- NHK NEWS WEB