中国当局がアメリカの大手運送会社「フェデックス」について「中国の法規に違反した疑いがある」として調査に乗り出すことになりました。フェデックスは日本から中国へ送るべき通信機器大手「ファーウェイ」の小包をアメリカに送ったとされ、中国としては、ファーウェイへの締めつけを強めるアメリカに対抗するねらいがあるとみられます。
ロイター通信によりますとフェデックスは先月、日本から中国向けのファーウェイの小包2つをアメリカに送っていたほか、ベトナムから香港などに送る2つの小包もアメリカに配送されるところだったということです。
これについて、中国では、アメリカ政府が先月、ファーウェイをアメリカ企業が許可なく取り引きすることを禁じるリストに追加したことから「アメリカ政府の要請があったのではないか」などと批判の声が出ていました。
これに対しフェデックスの中国法人は、「誤って運送したもので外部の要求は一切ない」と説明しています。
こうした中、国営の中国中央テレビは1日、フェデックスについて「宛先通りに配達せず、利用者の合法的な権益を著しく損なっており、中国の法規に違反した疑いがある」として、関係当局が調査に乗り出すと伝えました。
中国商務省は31日、中国企業の利益を損ねる外国の企業などを今後、リスト化すると発表していて、今回の措置もアメリカに対抗するねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB