1日夜、横浜市を走る新交通システム「シーサイドライン」の車両が逆走して車止めに衝突し、14人が重軽傷を負った事故で、運行会社が2日に記者会見し、駅と車両の双方にある自動運転の装置どうしが信号をやり取りする際に不具合が生じた可能性があるという見方を示しました。
1日午後8時すぎ、横浜市磯子区と金沢区を結ぶ新交通システム「シーサイドライン」の始発駅である新杉田駅で、5両編成の車両が出発しようとした際に25メートルほど逆走し、駅構内の車止めに衝突しました。
警察によりますと、およそ30人の乗客のうち20代から80代の男女14人が重軽傷を負いました。
この事故について、2日午後、運行会社の「横浜シーサイドライン」が改めて記者会見し、三上章彦社長が「現時点で原因の特定はできていない」と述べました。
そのうえで、駅と車両の双方にある『ATO』と呼ばれる自動運転を担う装置のうち、駅側の装置では進行方向の切り替えが正常に行われたという信号を受信していたことを明らかにしました。
これまでのところ車両そのものの異常は確認されていないことなどから、会社は、この『ATO』の信号を送受信するシステムに何らかの不具合が生じた可能性があるという見方を示しました。
また、会社によりますと、シーサイドラインの運転再開のめどはいまだ立っておらず、3日も再開できなければ、バスによる振り替え輸送を行うということです。
事故をめぐっては、国の運輸安全委員会も原因究明のため鉄道事故調査官を派遣し、当時の状況を詳しく調べています。
-- NHK NEWS WEB