「水の都」として知られるイタリアのベネチアで停泊していた観光船に大型のクルーズ船が衝突し、少なくとも4人がけがをしました。ベネチアでは大型クルーズ船の入港が景観に悪影響を与えるとして禁止を求める声が出ていて、今回の事故でさらに反発が強まるものとみられます。
イタリアの観光地ベネチアで2日朝、岸壁に停泊していた観光船におよそ2700人が乗った全長275メートルの大型クルーズ船が衝突しました。この事故で、オーストラリア人やアメリカ人など少なくとも4人が軽いけがをしました。
クルーズ船の乗客が撮影した映像には岸壁に泊まっていた観光船の船首部分に、警笛を鳴らし続けながら進むクルーズ船が近づき、衝突したあとも観光船を岸壁から押しのけるような形で進んでいく状況が映っています。
一方、観光船に乗っていた人が迫ってくるクルーズ船に気付き、逃げていく様子も記録されています。
AP通信はクルーズ船を所有している会社の話として、船に何らかの機械的な問題が生じていたと伝えています。
ベネチアでは近年、大型クルーズ船の入港が増加し、景観や環境の悪化を懸念する地元の人々が入港を禁止するよう求めていて、今回の事故直後にも抗議行動が行われるなど、今後さらに反発が強まるものとみられます。
-- NHK NEWS WEB