米中の貿易摩擦が激化する中、今週末に日本で初めて開かれるG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議で、議長国の日本は共同声明で自由貿易の重要性をメッセージとして打ち出したい考えです。しかし、自由貿易に対する考え方をめぐって各国の溝は埋まっておらず、調整は難航しています。
G20の財務相・中央銀行総裁会議は今月8日から2日間の日程で福岡市で開かれ、貿易摩擦の背景にある経常収支の不均衡をめぐって意見が交わされる見通しです。
議長国を務める日本は、会議の成果をまとめた共同声明に不均衡の是正には自由貿易が重要だというメッセージを打ち出したい考えです。
ただ、自由貿易の考え方をめぐって各国の溝は埋まっておらず、事前の調整は難航しています。
中国やヨーロッパの国々はアメリカが行っている関税の引き上げを念頭に、保護主義に対抗する内容を盛り込むよう求めています。
一方、アメリカは中国が海外の企業に技術移転を強制しているとされる問題などを念頭に、不公正な貿易取り引きへの反対を明確にするよう主張しているということです。
このため、議長国の日本としては事務レベルでの調整をギリギリまで続けて何とか一致点を見いだし、貿易摩擦の緩和につなげたい考えです。
-- NHK NEWS WEB