FCA=フィアット・クライスラーは5日、日産自動車と提携するフランスのルノーに対して行っていた経営統合の提案を撤回したと発表しました。フィアット・クライスラーはフランス政府の対応を撤回の理由に挙げています。
フィアット・クライスラーは、5日、ルノーが経営統合の提案を協議する取締役会を終えた直後に撤回を発表しました。
発表によりますと、フィアット・クライスラーは、提案撤回の理由について「フランスの政治状況が統合を円滑に進める状態になかった」としています。
ルノーに対するフィアット・クライスラーの対等合併による経営統合提案は、統合によってルノーと合わせて販売台数で世界3位の規模を目指したいとするものでした。
これに対して、ルノーの筆頭株主であるフランス政府のルメール経済相は、経営統合については、ルノーと企業連合を組む日産自動車の支持が第一条件だという考えを重ねて示していました。
こうしたことから、統合に慎重な姿勢の日産を重視したフランス政府の対応がフィアット・クライスラー側の統合提案に影響したのではないかという見方も出ています。
ルノーとフィアット・クライスラーの統合の協議は日産の経営にも影響を与えるとして注目されていましたが、ひとまず、白紙に戻りました。
-- NHK NEWS WEB