アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会は、アメリカ経済について、緩やかに拡大しているとしつつ、一部の地区では中国との貿易摩擦に伴って製造業に減速の兆しが出ているという認識を示しました。
FRBは5日、企業などに行った聞き取り調査を基に最新の経済報告を公表しました。
それによりますと、個人消費はまちまちで、自動車の販売店の売り上げが低迷した地区があるほか、中国との貿易摩擦によって不透明感が広がり、地区によっては製造業による設備投資が抑制されたり、製品や部品の運送が減ったりしたなどと指摘されたということです。
ただ、雇用は小売業やサービス業などで引き続き増えていることに加え、賃金も緩やかに伸びているとしています。
このためアメリカ経済について「全体として緩やかに拡大している」としつつ、一部の地区では中国との貿易摩擦に伴って「製造業に減速の兆しがあり、先行きに対する不透明感が増している」という認識を示しました。
FRBのパウエル議長は今週、景気減速のおそれが高まった場合には金利の引き下げに転じる可能性を示唆しており、米中両国が追加関税の応酬によって対立が深まっていることが企業活動にどう影響するかが注目されています。
-- NHK NEWS WEB