救急車が到着するまでにおよそ30分かかる広島県安芸太田町のいわゆる限界集落の住宅で風呂で溺れた79歳の女性に、救急車が到着するまでの間、救命処置をした男性に消防署から感謝状が贈られました。
感謝状が贈られたのは、広島県安芸太田町の岡崎隆則さん(67)です。岡崎さんはことし3月、近くに住む岡田秋人さん(86)から「妻が風呂で倒れている」と助けを求める電話を受け駆けつけました。
岡田さんの妻は風呂で溺れた状態で見つかり、意識がなく呼吸をしていなかったため岡崎さんは心臓マッサージをしたりする救命処置を行いました。
岡田さんの妻はその後、救急車で病院に搬送され一命をとりとめたということです。
岡田さんの自宅は、世帯数が3世帯しかないいわゆる限界集落にあり、救急車が到着するまでに30分近くかかるということで、消防によりますと、救命処置がなければ極めて危険な状態だったということです。
岡崎さんは去年、50年ぶりにこの集落に帰郷し勤務先のバス会社で救急救命の講習を受けていたということで「一生懸命がんばったかいがありました」と話していました。
また、妻が救命処置を受けた岡田さんは「私だけだったら妻を抱えることができず何もできませんでした。とても感謝しています」と話していました。
-- NHK NEWS WEB