アメリカのホワイトハウスの高官は、同盟関係にあり技術革新が目覚ましいイスラエルのハイテク企業に対して中国が投資を増やして急接近していると指摘し、安全保障に関わる技術の中国への流出のおそれに懸念を示しました。
アメリカと同盟関係にあるイスラエルは中東のシリコンバレーとも呼ばれるなど技術革新が目覚ましく各国からの投資が相次いでいます。
これについてホワイトハウスで中東政策を担当するコーツ上級部長は6日、ワシントンで講演し「われわれが懸念しているのが中国によるイスラエルのハイテク企業への接近だ。2016年だけで中国による投資が10倍に急増した」と述べました。
そのうえで「われわれの目的は外国の投資が安全保障を損なわないように行われることだ」と述べ、軍事転用も可能な安全保障に関わる技術の中国への流出のおそれに懸念を示しました。
この問題をめぐっては、アメリカ議会調査局がことし4月に公表した報告書も、中国がイスラエルのハイテク企業への投資を通して安全保障の技術を取得するおそれを指摘したほか、中国の国有企業がイスラエルの港に新設されるふ頭の運営権を取得することにアメリカ海軍が懸念していることなどを記しています。
アメリカと中国は次世代の通信規格5Gなどのハイテクの覇権をめぐって争っていて同盟関係にあるイスラエルへの中国による進出を強くけん制した形です。
-- NHK NEWS WEB