アメリカのトランプ政権がイランの石油化学産業にあらたな制裁を科したことについてイラン外務省は8日、声明を発表し、「対話要求がいかに価値のないものであるかを示した」として圧力を強化しながら交渉を迫るアメリカを非難しました。
アメリカ財務省は7日、イラン最大の石油化学工業グループとその傘下の企業が、精鋭部隊「革命防衛隊」に関連する企業に金融支援をしていたとして、新たに制裁対象に加えたと発表しました。
これに対し、イラン外務省のムサビ報道官は8日、声明を発表し、「誤ったやり方であり、何ら成果は得られないだろう」と反発しました。そのうえで、トランプ大統領がこのところイランとの対話を呼びかけていることについて「対話要求がいかに価値のないものであるかを示した」として圧力を強化しながら交渉を迫るアメリカを非難しました。
最高指導者のハメネイ師も今週、「政治上のトリックにだまされてはいけない」と述べて、アメリカへの警戒感をあらわにし、対話に否定的な立場を改めて示しています。
アメリカとイランの緊張が続く中、安倍総理大臣は来週12日から14日までの日程でイランを訪問する方針で、事態の打開につなげていけるのか注目されます。
-- NHK NEWS WEB