東海道新幹線の車内で乗客3人が刃物で殺傷された事件から9日で1年です。JR各社は、列車内への防護具の配備や警備員による巡回を強化する一方、国も乗客の所持品検査の導入が可能か検討を進めていますが、利便性との両立が課題となっています。
去年6月9日、神奈川県内を走行中の東海道新幹線の車内で乗客3人が男に刃物で切りつけられ、1人が死亡、2人がけがをしました。
JR各社は事件のあと、列車内に防護用の盾や刃物から身を守るベスト、催涙スプレーなどを配備したほか、警備員による巡回を強化しています。
また、ことし4月からは、すべての列車で、適切にこん包されていない包丁やナイフ、はさみなどの刃物の持ち込みが法令で禁止され、違反した場合は強制的に列車から降ろすことができるようになりました。
一方、国土交通省も来年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、乗客の所持品検査が鉄道でも可能かどうか、簡易型のボディースキャナーを使って危険物の有無を調べる実証実験を行うなど、検討を進めています。
ただ、鉄道会社の間では所持品検査を行った場合、乗客の利便性を損なうとする懸念も根強く、安全とどう両立させるかが課題となっています。
-- NHK NEWS WEB