福岡市で開かれているG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議は9日、2日目の討議に入ります。8日は激化する米中の貿易摩擦を懸念する声が相次いだだけに、各国が協調して問題解決に取り組む姿勢を打ち出せるかが焦点となります。
日本で初めての開催となる今回のG20の会議は8日、福岡市で開幕し、世界経済の現状や今後の見通しをめぐって意見が交わされました。
初日の討議では、ほとんどの国から激しさを増す米中の貿易摩擦で、世界経済が下振れするリスクが高まっているとして、懸念の声が相次いで出されました。
また麻生副総理兼財務大臣も、記者会見で、貿易摩擦が解決されないと市場からの信頼を損なうおそれがあると指摘しました。
このため2日目の討議は、各国が協調して問題解決に取り組む姿勢を打ち出せるかが焦点となります。
ただ、アメリカは関税引き上げをテコに対立が先鋭化しやすい2国間の貿易交渉で問題解決を目指す姿勢を崩していません。
議長国の日本は9日の討議で、貿易を含めた収支の不均衡は多国間の枠組みで解決する必要があると訴え、対立の緩和につなげたい考えです。
また9日は、国境をまたぐデータのやり取りでばく大な利益を上げる、巨大IT企業への新たな課税ルールをめぐっても議論が交わされる予定で、来年中に具体案を取りまとめることで各国が一致する見通しです。
-- NHK NEWS WEB