今月下旬に開かれる日産自動車の株主総会で、大株主のルノーが場合によっては、採決を棄権する意向を示していることが分かりました。ゴーン前会長の事件を受けて日産が目指す新たな経営体制への移行ができなくなる可能性もあり、総会に向け曲折が予想されます。
日産は今月25日に開く株主総会で、ゴーン前会長の事件を受けて経営の透明性を高めるため、社外取締役を中心に人事や報酬を決める「指名委員会等設置会社」に移行する議案を諮る予定です。
関係者によりますと、この議案に関連して、ルノーが先週、日産に書簡を送り、委員会のメンバーにルノーの出身者を入れることを求め、実現されなかった場合、株主総会での採決を棄権する意向が示されているということです。
この議案を決議するには、過半数の株主が出席したうえで3分の2以上の賛成が必要で、日産の43%の株式を持つルノーが棄権すれば議案が可決できず、新たな経営体制に移行できない可能性もあります。
ルノーは新たな経営体制への移行によって、日産の経営への影響力が弱まることを懸念しているということです。
日産としては、委員会のメンバーについては株主総会後に発足する取締役会で決定することを目指していますが、今後、総会に向けて曲折が予想されます。
-- NHK NEWS WEB