高齢ドライバーによる交通事故を防ぐための模索が始まっています。自動運転などの技術開発が盛んな中東のイスラエルで、事故防止につながる新技術のアイデアを競うイベントが開かれ、軍事用のセンサーを取り入れた対策などが紹介されました。
このイベントは10日、イスラエルの商業都市テルアビブで開かれ、自動運転技術を扱う企業など現地の約50社から選ばれた5社が、高齢ドライバーによる事故を減らすための新技術のアイデアを発表しました。
このうち1社は、運転席に振動を感知するセンサーとICチップを埋め込んで運転手の心拍や呼吸などのデータを監視し、異常が検知されるとAI=人工知能を使って、直ちに警告を出し、未然に事故を防ぐアイデアを紹介しました。
また別の企業は、イスラエル軍の狙撃ライフル用に開発されたレーザーの技術を使って、運転手の健康状態を監視する仕組みを提案していました。
高齢ドライバーの事故が減れば、保険金の支払いの減少にもつながるだけに、損害保険業界では事故防止の技術開発が活発になっていて、イベントを開いた日本のSOMPOホールディングスは、審査で選抜した現地企業と実証実験を行うことにしています。
SOMPOホールディングスの芝崎大樹さんは「イスラエルは斬新な技術の宝庫であり、高齢者の事故を防ぎ、日本社会の安心や安全につながるような技術開発に力を入れたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB