ロシアのモスクワでは、当局の汚職をめぐる調査報道で知られるジャーナリストが逮捕されたのを受けて、大手の新聞各紙が、逮捕に抗議する異例の声明を一斉に掲載し、プーチン政権下で強まる言論弾圧に危機感が高まっています。
ロシアのネットメディアで、当局の汚職問題に関する調査報道を行っていたことで知られるイワン・ゴルノフ記者(36)は今月6日、モスクワで、コカインなどの違法な薬物を販売しようとした疑いで警察に逮捕されました。
ゴルノフ記者は容疑を否認していて、捜査の過程で本人への薬物検査を行った機関も10日、結果は陰性だったと明らかにしています。
これについて、ロシアの大手新聞社の「コメルサント」と「ベドモスチ」、それに「RBK」の3紙は10日、それぞれ1面に共同声明を掲載し、「証拠は疑わしい」などとして、不当な逮捕だと抗議しました。こうした声明が大手の新聞で一斉に掲載されるのは異例のことです。
インターネットの規制やメディアへの監視を強化するプーチン政権が、著名な記者にも矛先を向けたことで、言論弾圧に対するロシアメディアの危機感が高まっています。
-- NHK NEWS WEB