吉川農林水産大臣は、農林水産業を支援するための官民ファンド「農林漁業成長産業化支援機構」について、累積の赤字が92億円に上っていることを明らかにし、効率的な運営と経営の改善を求める考えを示しました。
「農林漁業成長産業化支援機構」は、平成25年に国と民間が出資して設立された官民ファンドで、農林水産業に携わる人たちが食品の製造や販売などを行う際に出資し、経営を支援しています。
この経営状況について、吉川農林水産大臣は閣議のあとの記者会見で、出資先の企業の破綻などによって、ことし3月までの累積の赤字が92億円に上ることを明らかにしました。
そのうえで吉川大臣は「徹底して効率的な運営を図ることが重要で、さらに経営改善を求めていく必要がある」と述べ、経費削減の徹底と経営の改善を求める考えを示しました。
官民ファンドは、主にAIなどの最新技術への投資を行う「産業革新投資機構」や、アニメなどの事業の海外展開を支援する「クールジャパン機構」などがありますが、損失を出すケースが相次いでいるのに加え「民業圧迫だ」という批判も根強くあります。
-- NHK NEWS WEB