ルノーのスナール会長は、日産自動車が進めようとしている新たな経営体制への移行について、ルノーの影響力が弱まりかねないと不満を表明する一方で「決して戦いを挑むわけではない」と述べて日産側との対立は避けたい考えも示しました。
ルノーは12日、パリで定例の株主総会を開き、この中でスナール会長は「ゴーン事件によって日産との企業連合は傷ついた。最も重要なのは企業連合を強くすることで、このことなくしてルノーの成功はない」と述べて日産との関係強化が最大の経営課題だと強調しました。
その日産は、経営の透明性を高めるためだとして今月25日の株主総会で人事など3つの委員会を置く新たな経営体制への移行を諮る方針ですが、ルノーは採決を棄権することもありうるという立場です。
これについてスナール会長は「新しい経営体制への移行には賛成だ。ただ、日産の提案では私がメンバーの委員会は1つだけで、ボロレCEOは入っていない」と述べて、ルノーの影響力が弱まりかねないと不満を表明しました。
その一方で「ルノー側がそれぞれの委員会に議席を持ちたいだけであり、決して戦いを挑むわけではない」とも述べ、対話によって日産との対立を避けたい考えを示しました。
また、構想が白紙となったFCA=フィアット・クライスラーとの経営統合については「これまでにないすばらしい案件だという考えは変わっていない」と述べて、交渉再開への期待をにじませました。
-- NHK NEWS WEB