老後の資産形成について金融庁の審議会がまとめた報告書について根本厚生労働大臣は、審議会の考えをまとめたものであり厚生労働省の見解を示したものではないという考えを強調しました。
老後の資産形成で「およそ2000万円必要になる」などとした金融庁の審議会の報告書をめぐっては、審議会にオブザーバーとして出席した厚生労働省の担当者が試算の元となる数字を示していました。
これについて根本厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で「高齢者世帯の平均的な収入と支出の差や貯蓄の活用の実態を紹介したが、毎月5万円の不足があるとか、生涯2000万円不足しているという説明はしていない」と述べました。
そのうえで、報告書について「数字を比較した単純な議論を行って、あたかも生活費として不足するかのように述べているが、世間に著しい誤解や不安を与えた。審議会の委員の考えをまとめたもので、厚生労働省としての見解が表現されたものではない」と強調しました。
一方、公的年金の将来的な支給水準の見通しを示す財政検証の結果の公表について根本大臣は「年金の制度改正の議論に資する検証を行うことが重要だ。事務方には本体の試算に加えて新たな『オプション試算』の内容の充実を図り、丁寧に作業を行うよう指示している」と述べ、受給開始年齢を引き上げた場合の支給見通しなどの試算が終わり次第、公表する考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB