先月川崎市で、スクールバスを待っていた小学生ら20人が殺傷されるなど凶悪な事件が後を絶たない中、電機メーカー各社は防犯カメラの映像解析技術の開発に力を入れています。
NECは、防犯カメラに映る人たちを集団として認識し、動きを予測する技術を開発しています。
サーモグラフィーのように人が多いところは赤く、少ないところは青く表示され、進んでいる方向も色の違いで示します。
集団が急に方々に走り出すなど予期しない動きが起きた場合、事件や事故の可能性があると判断し、警備会社などに知らせます。
NECの永野善之主席技術主幹は「個人を識別する技術ではないので、プライバシーに配慮して実用化できると考えている」と話しています。
一方、三菱電機は、AIで映像を解析する技術を開発しています。
もともと体の不自由な人などを支援するために開発され、つえを持った人や車いすの人などの特徴をAIに学習させ、映像に映った場合にすぐに通知できるようにしています。
今後は、うろうろしたり、同じ場所に長く立ち止まったりと不審な動きを学習させることで、防犯面でも活用できるよう検討しています。
三菱電機インフォメーションシステムズの鈴木宏則さんは「今は人の特徴の判別を重視しているが、今後は物についても置き忘れなのか不審物なのかが判別できるようにしたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB