東日本大震災の被災地、宮城県山元町で栽培された芝生がことし9月に開幕するラグビーワールドカップの会場の1つで採用され、愛知県豊田市にあるスタジアムへの出荷作業が16日から始まりました。
山元町では、震災からの復興の象徴にしようと震災の翌年から地元の人たちが中心となって津波の被害にあった農地で「復興芝生」と名付けた芝生を栽培しています。
この芝生は、愛知県豊田市の「豊田スタジアム」で去年から使われていますが、ことし9月に開幕するラグビーワールドカップの本番を前に張り替えられることになり、16日出荷作業が行われました。
作業では幅76センチ、長さ10メートルに切り出した芝生をトラクターでロール状にして巻き取り、トラックに積み込んでいました。
芝生は4年間かけて栽培されたということで、出荷作業は今月20日まで行われるということです。
芝生を栽培した会社の大坪征一社長は「震災直後からの夢が現実となってうれしいです。選手たちには思い切ってプレーしてほしい」と話していました。
「復興芝生」は東京オリンピックのサッカーの会場である宮城県利府町のスタジアムでも採用され、ことし秋から張り替えの作業が行われる予定です。
-- NHK NEWS WEB