国産初のジェット旅客機「MRJ」。納入の延期が繰り返されてきましたが、開発にあたる三菱航空機はフランスで始まった航空ショーで名前を「三菱スペースジェット」に変更するとともに、より小型の機体に力を入れ、事業の立て直しを図る方針を発表しました。
「MRJ」は、国産初のジェット旅客機として開発が進められてきましたが、相次ぐトラブルで納入がこれまで5回にわたって延期されました。
こうした状況を受けて三菱航空機は17日、パリ郊外で始まった世界最大規模の航空ショーで戦略の見直しを発表しました。
この中で、名前を「MRJ」から「三菱スペースジェット」に改めるとし、新しいロゴとともにデザインを一新した機体を披露しました。
また、座席数が90席の機体に加えて、主力市場のアメリカで需要の伸びが見込まれる70席前後のより小型のモデルにも力を入れていく方針を発表し、模型を展示して空間の広さなどをアピールしました。
さらに、親会社の三菱重工業は、メンテナンス体制の強化に向けてカナダの航空機メーカーボンバルディアから小型ジェット旅客機部門の一部を買収する交渉も進めています。
三菱航空機としては一連の刷新で事業の立て直しを図りたい考えですが、開発がこれ以上遅れれば、イメージのさらなる低下が避けられないだけに、来年半ばとしている納入を今度こそ実現できるかが問われています。
-- NHK NEWS WEB