農林水産業を支援するための官民ファンドが、90億円以上の累積赤字を抱えながら、役員に定額の報酬を支払うのは国民の理解が得られないとして、ファンドを所管する農林水産省は、報酬の体系を見直し、業績に連動して金額が決まる仕組みを取り入れる方向で検討することになりました。
農林水産業を支援するため平成25年に設立された官民ファンド「農林漁業成長産業化支援機構」は、出資した企業の経営破たんなどでことし3月末時点で92億円の累積赤字を抱えています。
ファンドの役員に対しては業績とは関係なく報酬と退職慰労金が定額で支払われていますが、赤字を抱えながら満額が支払われるのはおかしいという批判の声が一部で上がっていました。
このため所管する農林水産省は、経営の責任を報酬などに反映させるため、金額を業績に連動させる仕組みを取り入れる方向で検討することになりました。
ファンドは、今年度は昨年度の実績のおよそ9倍にあたる110億円の投資を計画しています。
農林水産省は今後、報酬のうち業績と連動させる割合をどうするかなど具体的な仕組みを検討しながら、経営が計画どおりに進んでいるかファンドへの指導を強化していく方針です。
-- NHK NEWS WEB