ロシアのプーチン大統領は、国民の質問に直接答える恒例のテレビ番組に出演し、この中で、近年国民の生活が苦しくなったことを率直に認めました。強い指導者を演出することが多いプーチン大統領が、こうした弱みを見せるのは異例で、国民に理解を求め支持をつなぎ止めたいねらいがうかがえます。
プーチン大統領は20日、国民の質問に直接答えるテレビ番組に出演し、司会者から「人々は生活が苦しくなったと感じているが、どう思うか」と質問されたのに対して「全くそのとおりだ。最も重要な問題と考えている」と答えました。
そして、経済低迷の理由として欧米による経済制裁や、ロシアが輸出の柱とする地下資源の価格の不振をあげたうえで、ここ数年、家計の所得が減少していることを率直に認めました。
一方、プーチン大統領は「所得が最も落ち込んだのは2016年で、今は回復しつつある」と述べ、最悪の時期は過ぎたと、国民に理解を求めました。
強い指導者を演出することが多いプーチン大統領が、こうした弱みを見せるのは異例のことで、経済の悪化に加え、年金制度改革やインターネット規制に対する不満が高まり支持率が低迷するなか、国民の支持をつなぎ止めたいねらいがうかがえます。
-- NHK NEWS WEB