子どもをだっこする時に使う「だっこひも」からの転落事故が後を絶たないことから、メーカーなどで作る団体がインターネットで危険の体験を募ったところ、子どもの月齢によって転落につながる危険の状況が異なり、生後7か月未満では、乗せたり降ろしたりする際に危険を感じたという体験が多く寄せられ、団体では、製品の改良などに生かしていくとしています。
だっこひもから乳幼児が転落する事故は、東京消防庁のまとめで、この2年間に47人が病院に運ばれるなど後を絶ちませんが、全国的にまとまった統計はなく、詳しい実態はわかっていません。
このためメーカーなどで作る協議会は、事故に至らなくても転落の危険を感じた、いわゆるヒヤリ・ハットの体験を集めて事故防止につなげようと、去年12月からおよそ1か月間インターネットで募集し、756件のケースが寄せられました。
それによりますと、生後7か月未満の乳児では、だっこひもに乗せたり降ろしたりする際や前かがみになった際に、赤ちゃんが突然のけぞって滑り落ちそうになるケースが多く、生後7か月から2歳未満になると、歩行中に自分から抜け出そうとするケースが多かったということで、子どもの月齢によって転落につながる危険の状況が異なりました。
今回寄せられた事例の多くは、利用者側がみずからの責任だと感じメーカーなどに報告していないということで、協議会では引き続きヒヤリ・ハットの情報提供を呼びかけるとともに、今回のケースを詳しく分析し年齢に合わせた安全な使い方の啓発や、製品の改良に生かしていくとしています。
-- NHK NEWS WEB