コンセントにつながなくても部屋の中にいるだけで、スマートフォンなどが充電できる技術の開発に東京大学の研究グループが取り組んでいて、今後、企業と協力して実用化を急ぐことにしています。
東京大学の川原圭博教授らのグループは電化製品などの配線をなくす、いわゆる「ワイヤレス充電」の技術開発に取り組んでいます。
今月、大学で行った実験では、3メートル四方の部屋をつくり、磁力を発生する板を壁と床にうめこんで、部屋全体に磁場を発生させました。そして、スマートフォンの背面に磁力を電気に変えるコイルを搭載した小さな装置を取り付けるとコンセントなしでバッテリーへ充電が始まりました。
また、部屋の照明もコンセントをつながずに点灯しました。
「ワイヤレス充電」は、これまでも充電用の装置に近づくと充電する技術はありましたが、部屋のどこにいても充電ができる技術は、まだ実用化されていないということです。
研究グループによりますと、磁力による人体への影響がでないよう、国際ガイドラインに従って開発をしているということで、今後は、充電の効率を上げるとともに、コストを下げることが課題だとしています。
実験を担当した東京大学の笹谷拓也さんは「駅や空港などに設置できると、スマホやタブレットなどすぐに充電できる。今後は企業とも協力し、実用化を急ぎたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB