チェコでは、EU=ヨーロッパ連合からの補助金を不正に受け取った疑惑のあるバビシュ首相への批判が強まっており、23日には首都プラハで、首相の辞任を求める大規模なデモが行われました。
プラハ中心部では23日、市民団体の呼びかけで大規模なデモが行われ、主催者の推計で25万人がバビシュ首相の辞任を求めました。
これは1989年に当時のチェコスロバキアで社会主義体制が崩壊して以来、最大規模の反政府デモと見られています。
国内有数の富豪で「チェコのトランプ」とも呼ばれるバビシュ首相について、警察はことし、首相就任前の実業家時代に総額およそ200万ユーロ、日本円にして2億4000万円余りに上るEUの補助金を不正に受け取ったとして、起訴すべきという結論をまとめました。
しかし、その直後に法相が辞任し、バビシュ首相に近いとされる人物が後任に就いたほか、先月には地元メディアが、首相とEUの補助金を受けた企業グループとの関係が続いているとするEUの報告書案を伝え、国民の批判が高まっていました。
これに対してバビシュ首相は、疑惑を全面的に否定し、辞任も拒否しています。
バビシュ首相が率いる新興の右派政党は、好調な経済状況などを背景に一定の支持率を保っていて、今後、政権が退陣に追い込まれるかは不透明です。
-- NHK NEWS WEB