韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題を含め、安倍総理大臣との対話の扉は開いているとしたうえで、「G20大阪サミットの機会を活用できるかどうかは日本にかかっている」と強調しました。ムン大統領が意欲を示していた日韓首脳会談は今回行われない見通しで、日本側に責任を転嫁することで韓国国内の批判をかわすねらいがあるとみられます。
ムン大統領はG20大阪サミットに出席するため、27日から3日間の日程で日本を訪問するのを前に、内外の通信社の書面インタビューに応じました。
この中でムン大統領は、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国政府がこのほど日本政府に提案した、日韓両国の企業が自主的に財源を作って慰謝料の支払いに充てるとする解決策について「当事者間の和解とともに、日韓関係も一歩進むようにする措置だ」として、これを受け入れない日本側を暗に批判しました。
そして、この問題を含め、安倍総理大臣との対話の扉は開いているとしたうえで「G20大阪サミットの機会を活用できるかどうかは日本にかかっている」と強調しました。
ムン大統領がG20大阪サミットに合わせて意欲を示していた日韓首脳会談は行われない見通しで、日本側に責任を転嫁することで、首脳対話の糸口すら見いだせていないとする韓国国内の批判をかわすねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB