トルコがロシアから導入する最新鋭の地対空ミサイルシステムについてロシア側は来月から納入する計画だと明らかにしました。ロシアとしては、NATO=北大西洋条約機構に加盟するトルコとの軍事的な結び付きを強め、NATOの結束にくさびを打ち込みたいねらいです。
ロシアの最新鋭の地対空ミサイルシステム「S400」をめぐってはおととし、トルコのエルドアン大統領がロシアから購入することで合意したと発表して以降、双方の間で調整が続けられてきました。
これについてロシア国営の武器輸出会社「ロスオボロンエクスポルト」のミヘーエフ社長がロシアのメディアに対し「受け入れの準備が進んでいる。7月に供給する計画だ」と述べ、来月からS400をトルコに納入する計画だと明らかにしました。
ロシアとしては、NATOに加盟するトルコとの軍事的な結び付きを強め、NATOの結束にくさびを打ち込むとともに、中東でのロシアの存在感を一層高めたいねらいです。
一方、トルコは同盟国のアメリカから、S400を導入すれば制裁を科すなどと強い反発を受けていますが、撤回する姿勢は見せておらず、今週G20大阪サミットに合わせて行われるアメリカとの首脳会談で事態を打開できるかは不透明な情勢です。
-- NHK NEWS WEB