長時間労働の是正に向けて政府が導入をめざしている時間外労働の上限について、日本商工会議所が調査したところ、賛成するとした中小企業は50%余りで、その多くが「一律の規制ではなく柔軟な制度にすべき」と答えました。
日本商工会議所は、去年10月上旬から11月上旬にかけて、全国の中小企業1581社を対象に、政府が導入をめざしている罰則付きの時間外労働の上限について意識調査を行いました。
それによりますと、労使が特別条項をつけることで合意すれば時間外労働が上限なく認められる、いわゆる「36協定」を締結している企業は1139社でした。
この中で「36協定」の見直しに『賛成』と答えた企業は53.8%にあたる613社でしたが、その多くが「長時間労働の規制は一律ではなく、柔軟な制度設計にすべき」と回答しました。
これに対し、『反対』と答えた企業は40.7%にあたる464社で、その理由として「36協定の特別条項の存在だけが長時間労働の原因ではなく、法改正しても効果的でない」などと回答しました。
一方、長時間労働の是正に向けた効果的な取り組みについては、経営者・労働者の意識改革や、残業を生みやすい商慣行の見直しなどが多く挙げられました。
今回の調査結果について日本商工会議所は、「長時間労働の是正には多くの企業が賛同しているが、業種や業界ごとに繁忙期の仕事の量も異なり、各社が対応しやすい柔軟な制度を求めたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB