大手企業の採用面接が解禁となり1か月です。売手市場で、すでに8割の学生が内定を得ているともいわれますが、今の就職活動のスタイルになじめないと感じる人たちもいると思います。しかし、企業の中には、個性ある人材を求めて、ちょっと変わった面接を行うところも出ています。
東京・千代田区で、6日に開かれた合同企業面接会。
集まったのは、通常の就職活動になかなかなじめないという学生たち。
その名も「就活アウトロー採用」です。
服装はみなふだん着のまま。一般的な就活と異なり、学生たちは大学名、面接官は企業名を伏せたまま、面接します。
両者が肩書にとらわれず、本音で語り合うための工夫です。
リラックスした雰囲気の中、通常の面接ではあまり扱うことのない哲学的なテーマを話し合います。
「人生の価値」や「うそをつくこと」などについて語り合う中で、個々の人間性や価値観がおのずとにじみ出てきます。
6年前に、この面接会を始めたNPOによりますと、参加者は年々増えて、延べ6000人を超えたといいます。
面接官の男性は「ふだんの面接では出会えない人材に会えるのではないかと参加しています。会社に迎合したり、価値観が合わない人に合わせたりするのではなく、自分が納得した仕事をして頑張ってくれる人を採りたいです」と話していました。
面接会を主催したNPO「キャリア解放区」の納富順一さんは、「通常の面接は時間も短く、企業も学生もうわべだけのやり取りになりがちですが、この場では両者が対等に自由に語り合い、本音でぶつかりあえる。今後も広げていきたいです」と話しています。
-- NHK NEWS WEB