ことしの春闘が本格化するのを前に、経団連と連合のトップが会談し、4年連続となる賃上げを目指すことで一致しました。しかし、基本給を引き上げる「ベースアップ」をめぐっては意見が分かれていて、どの程度の水準の賃上げが実現するかが労使交渉の焦点となります。
会談で、経団連の榊原会長は「心配なのはアメリカ経済の先行きだが、経済の好循環を回すため、これまで続けてきた賃上げの勢いをしっかり継続していくのが基本的な方針だ」と述べ、4年連続となる賃上げを呼びかける方針を示しました。
そのうえで、基本給を引き上げるベースアップだけでなく、定期昇給やボーナスなども含めた年収ベースでの賃上げを目指す考えを明らかにしました。
これに対し、連合の神津会長は「賃上げを継続すべきだという認識は共有したい。しかし、世の中全体への波及効果や消費購買力にどう響くかを考えると、月例賃金の底上げが不可欠だ」と述べ、ベースアップにこだわる姿勢を強調しました。
これから本格化する春闘では、去年と比べ為替相場が円安水準にあることや、アメリカのトランプ新政権の発足などで経済の先行きに不確実性が増していることを踏まえ、ベースアップも含めどの程度の水準の賃上げが実現するかが焦点となります。
また、ことしは大手広告会社「電通」の社員が過労のため自殺した問題などを受けて、長時間労働の是正を目指す働き方改革も労使交渉の焦点となる見通しで、3月をヤマ場に交渉が進められます。
-- NHK NEWS WEB