8年前、北陸3県などにあった焼き肉チェーン店で集団食中毒が発生し、5人が死亡した事件で不起訴になったチェーンを経営する会社の元社長と、肉の仕入れ先の会社の元役員の2人について検察審査会は「不起訴は不当だ」とする議決をしました。これをうけて検察は再び捜査を行い、起訴するかどうか、改めて判断することになります。
平成23年4月、焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の北陸3県と神奈川県にあった店舗で生肉のユッケなどを食べた181人が食中毒になり、このうち、子ども3人を含む5人が死亡しました。
チェーンを経営する会社の元社長と肉の仕入れ先の会社の元役員は業務上過失致死傷の疑いで書類送検されましたが、平成28年5月、富山地方検察庁は「刑事責任を問うだけの証拠が集まらなかった」として2人を不起訴にしました。
これについて遺族からの申し立てを受けて富山検察審査会が審査した結果「牛肉を生食で提供するにあたって食中毒で人が死傷するおそれが高いことが広く共有されていたにもかかわらず、仕入れ先の会社は大腸菌を除去する十分な措置を講じていたとは言えない。さらにチェーン店は卸された肉が安全と信じること自体安易だ」などとして「不起訴は不当だ」とする議決をしました。
これを受けて富山地方検察庁は「検察審査会の議決の内容を踏まえて再調査を行い不起訴処分の当否について再検討します」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB