原子力発電所の耐震をめぐって、活断層が事前にわからず震源が特定できない地震について、より高い精度で耐震性を評価する案を原子力規制委員会がまとめました。この案が審査に反映されると、新たな対策が必要になる原発がでてくる可能性があります。
原発の耐震の審査では、敷地付近にある活断層の影響を評価することに加え、断層が地表にあらわれず、事前に震源が特定できない地震についても、北海道留萌地方で2004年に起きたマグニチュード5.7の地震のデータを中心に、過去の16の地震を参考にして施設への影響を評価していました。
しかし、使えるデータが少なく精度が低いことが課題とされていたため、規制委員会はおととし、専門のチームをつくって検討を行っていました。
そして、8日新たな案を示し、参考にする地震の数を5倍余りに増やして2000年以降、内陸で起きた地震のうち89の地震データを統計処理し、揺れの影響を評価することにしました。
これにより、データの偏りが減るとともに、各原発の地域ごとの地盤の特性を反映させやすくなり、より高い精度で耐震の評価ができるようになるとしています。
規制委員会は電力会社にこの案を示し意見を聞いたうえで、最終的に審査に反映させる方針です。
これにより電力各社は今後、新しい方法で評価を行うことが求められる見通しで、結果によっては新たな対策が必要になる原発がでてくる可能性があります。
-- NHK NEWS WEB